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山口大学医学部

附属病院 病院長

田口 敏彦

第70回医学祭に開催によせて

 

 山口大学医学祭が今年度も盛大に開催されることを心よりお祝い申し上げます。

医学祭も本年度で70回目を迎え、医学部内での親睦、交流ばかりではなく、市民の皆さんとの交流のイベントとしてもすっかり定着してきました。

 企画については、学生諸君が英知を絞ったものばかりと思いますが、企画実現までの道のりでは学生以外の多くの社会の人との交流・協力・援助があったものと思います。その過程を通して、学生諸君は社会の厳しさ、社会の暖かさを痛感してきたはずです。学生時代に、このような社会との接点をもち「世間の目」を感じることは非常に大切なことです。現在は、医療の問題を医療者だけが論じる時代ではありません。医療者以外の発言も多くなり重要なものもたくさんあります。そのためにも学生諸君の医学・医療に対する姿勢、考え方、意気込みを社会に向けって発信していただきと思います。

 まさに医学は再生医療などの長足の進歩により技術的な面では躍動的な進歩を遂げております。いっぽうでは、医学の役割が、ただひたすら長寿のみを追求する時代ではなくなっています。医学の究極の目標は健康ですが、健康を目指しながら、健康という概念を医学のみでは捉えられない価値概念になってきています。それは健康という概念が科学としての医学を超えた価値概念であるからです。

 医学祭が市民の皆様との交流の場であり、健康や医療に関する知識を広める役割を担っています。その際には、自分自身に対しても「医療・医学とは何か」ということを熱っぽく問いかける機会にしてほしいと思います。

 医学祭には「祭り」という言葉がついています。祭りであるいじょう、参加するものが楽しく、満足な気持ちになることは言うまでもありません。十分に楽しんでもらいたいと思いますが、学生諸君が『on your feet』の状態で、 感性と知性をバランス良く発揮して医学祭運営に当たって頂けることを期待しています。

 

病院長

第70回山口大学医学祭

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